「奥様の野菜畑・・・1 」
何気なく家の前の道路から畑を見下ろすと
「レジャー農園」の看板。
五段あるだんだん畑の真中はまるで森のように雑草がうっそうと茂っている。
なぜ・・・? 他の畑はとても上手に野菜ができているのに。
お百姓さんになりたい奥様と、畑の出会いは二年前の四月。
「無理だと思いますよ何人かが借りられたけど長続きしていませんよ」
「手入れをしてもらえるのなら借地料は半額でいいです」
嬉しくなって百姓になりたい奥様はすぐ借地料半額の畑を借りた。
なるほど、長続きしない訳がわかった。
竹薮の側の畑は竹が根を張り、耕せる土地はわずかなのだ。
奥様は百姓になりたい夢があるから、必死に畑を開拓している。
スコップの柄が折れる、鍬の柄も折れた、ノコギリも刃がボロボロになる。
肩も手も足も腰も疲れてしまって、弱音が出そうになる。
すぐには畑にならないのなら、ヒマワリの種を蒔いておくことにする。
真夏にヒマワリの花が咲くのを楽しみにして育てよう。
弱気になった時、少しづつ通りかかりの人が声をかけて下さる。
「がんばってるねぇ」「畑らしゅうなったじゃー」
「竹の根は燃やしてあげるけぇー そこらに置いときんさい」
「畳を一枚あげるけぇー 土の中に埋めんさい、良い土になるよ」
なんだか、仲間に入れたようなあったかい喜びが湧いてきた。
最初の収穫物はタケノコ、開拓途中に美味しいタケノコがたくさん
収穫出来るのだから疲れも吹っ飛んでしまい、
欲が出はじめて畑の面積を広げたくなる。
どうにか畑らしくなるといろいろな野菜を植えたい。
健康で安心して食べられる有機農業をしてみたい。
野菜作は初めての奥様の夢は膨らんで行くのです。(続く)
紫外線対策と蚊取り線香は必需品です
(己斐(^o^)ゞ・チェリー)